Japanese
English
研究と報告
分裂病様状態を呈した欠神発作の1例
A Case of Typical Absence with Schizophrenia-like Syndromes
宮内 利郎
1
,
川又 潤一郎
1
,
大野 史郎
1
,
藤田 春洋
1
,
喜多村 雄至
1
,
松石 竹志
1
,
横井 晋
1
Toshiro Miyauchi
1
,
Junichiro Kawamata
1
,
shiro Oono
1
,
Haruhiro Fujita
1
,
Yuuji Kitamura
1
,
Takeshi Matuishi
1
,
Susumu Yokoi
1
1横浜市立大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Absence
,
Epileptic psychoses
,
Schizophrenia
,
Epilepsy
,
Induced microseizures
Keyword:
Absence
,
Epileptic psychoses
,
Schizophrenia
,
Epilepsy
,
Induced microseizures
pp.915-922
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203992
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抄録 てんかん患者が呈する分裂病様状態については,従来数多くの報告をみるが,側頭葉てんかんとの関連で論じられていることが多く,欠神発作では,分裂病様状態が長期間続いたという詳細な報告はない。著者らは,外来通院中のてんかん患者479例のうち16例(3.3%)に意識清明な分裂病様状態をみているが,純粋欠神発作は3例にすぎない。ここでは,このうちの比較的長期に経過観察した1例を症例呈示し考察した。
1)症例は,7歳時発症の欠神発作で,19歳より意識状態に障害のない幻覚・妄想状態が出現。慢性に移行し人格的な崩れがみられる。
2)本例の臨床経過を詳細に報告すると共にてんかん精神病の病因をParnasの説から考察した。
3)欠神発作に関して,皮質起源性を主張する報告もみるが,本例は中心脳起源である可能性をポジトロンCTから示した。
4)本例の治療経過中にみられた小型発作・脳波上の変化につき,薬剤との関連を考察した。
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