Japanese
English
短報
てんかん精神病における抗けいれん薬血中濃度についての1考察—寛解を経験した症例を中心に
A Shift of Serum Anticonvulsant Concentration observed in Epileptic Psychosis
原 純夫
1
,
横山 尚洋
2
,
原 常勝
3
Sumio Hara
1
,
Naohiro Yokoyama
2
,
Tsunekatsu Hara
3
1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
2大泉病院
3駒木野病院
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
2Ohizumi Hospital
3Komagino Hospital
pp.649-652
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204533
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I.はじめに
抗てんかん薬血中濃度測定の臨床への導入はてんかん発作そのものに対する薬物療法を進歩させたばかりでなく,抗てんかん薬と精神症状との関連を考察させるきっかけとなった。その中毒症状がさまざまな精神症状の背景に存在しうることは諸家により指摘されているところであるが,血中濃度との関係において抗てんかん薬の向精神作用についても注目されている。著者らは慢性持続性に精神病状態を呈するてんかん患者(狭義のてんかん精神病)を経過観察中であるが,その中で寛解を経験し,精神症状出現して間もなくと消失後の両時期に抗てんかん薬血中濃度測定をしえた6例(7エピソード)につき若干の考察を加えて報告する。
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