Japanese
English
研究と報告
精神分裂病患者の病前行動特徴—通知表における患者と同胞の行動評価の比較
Premorbid Behavioral Characteristics of Schizophrenic Patients: A comparison of the school records of patients and their siblings
原田 誠一
1
,
岡崎 祐士
1
,
増井 寛治
2
,
高桑 光俊
3
,
金生 由紀子
1
Seiichi Harada
1
,
Yuji Okazaki
1
,
Kanji Masui
2
,
Mitutosi Takakuwa
3
,
Yukiko Kanō
1
1東京大学医学部精神医学教室
2松沢病院
3多摩病院
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
3Tama Hospital
キーワード:
Schizophrenia
,
Siblings
,
School record
,
Premorbid characteristics
,
Blind evaluation
Keyword:
Schizophrenia
,
Siblings
,
School record
,
Premorbid characteristics
,
Blind evaluation
pp.705-715
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204356
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抄録 精神分裂病患者とその同胞の小・中学校時代の通知表を調べ,分裂病患者の病前行動特徴の抽出を試みた。通知表の記載から盲検的に行動項目の一覧を作成し,項目の存否に関する明確な評価基準を作った上で評価を行い,盲検をといた後に統計学的検討を加えた。
その結果,「作業を厭わず進んでする」など11の肯定的に記載されている行動項目で有意差があり,いずれも同胞に多く認められた。一方,「自主的に行動出来ず,頼りがち」など5つの否定的に記載されている行動項目で有意差があり,いずれも患者に多く認められた。また,行動特徴の経年的な推移も調べたところ,患者と同胞の行動特徴の差異は小学校低学年から認められるが,小学校高学年で顕著であった。さらに,有意差の認められた病前行動特徴の組合せによって,患者と同胞の分離がかなり可能であることを示した。
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