Japanese
English
研究と報告
精神分裂病急性期消退後の抑うつ感
Depressive Feeling in Schizophrenic Postpsychotic Period
津村 哲彦
1,2
,
谷矢 雄二
3
,
田口 弘之
1
,
宮崎 清
1
,
松岡 邦彦
1
Tetsuhiko Tsumura
1,2
,
Yuji Taniya
3
,
Hiroyuki Taguchi
1
,
Kiyoshi Miyazaki
1
,
Kunihiko Matsuoka
1
1杏林大学医学部精神神経科学教室
2武蔵野中央病院
3医療法人社団大和会大内病院
1Department of Neuropsychiatry, Kyorin University School of Medicine
3Daiwakai Ouchi Hospital
キーワード:
Depressive feeling
,
Postpsychotic period
,
Schizophrenia
Keyword:
Depressive feeling
,
Postpsychotic period
,
Schizophrenia
pp.97-104
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204277
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抄録 精神病院の外来分裂病者933人の中から,急性期消退後に抑うつ感を訴えた55人について,その概観と病者の心理状態・環境の問題・自殺等について考察した。
急性期消退後に抑うつ感を訴える病者は,分裂病患者全般の中で,人格の崩れの少ない群であり,寛解・適応状態も経済状態も比較的良い。そして,その抑うつ感は,精神療法的アプローチや環境への配慮にて充分に改善の余地のある反応性抑うつのことが多く(60.0%),疾患による自己の変化とそれに付随する環境の変化に悩むのである。更に,内因性抑うつの合併や急性期消退後疲弊抑うつ,薬物性抑うつ,そして,単なる欠陥の表現の場合もあり,的確な判断と慎重な対応が要求される。
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