巻頭言
再び,精神神経学か?
山内 俊雄
1
1埼玉医科大学精神科
pp.1328-1329
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204251
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「古い服がはやるように,これまで精神医学者や神経学者の間で非難めいた口調で語られていた神経精神医学(neuropsychiatry)という言葉が再び,クリーニングを施すために保管庫からとり出されてきている」といった書き出しではじまる一文が目に留った(E. D. Caine et al.:Neuropsychiatry……Again. Arch. Neurol,43;325-327,1986)。
かつて,一緒に実験をやつていたアメリカの神経専門医が,精神分裂病と躁うつ病の区別もつかないのを目のあたりにして,驚歎した身にとっては「あれから1世紀を経た今,精神医学と神経学は再び一緒になろうとしている。神経精神医学こそ,かけ橋である。我々はGriesingerの出発点に立ち戻ろう」と謳いあげて締めくくっているこの論文を読んで,"やはり""とうとう""当然"といった,さまざまな感慨を覚えた。
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