Japanese
English
短報
家族性TBG欠損症を伴った単極性うつ病の1例
A Case of Unipolar Depression with Familial TBG Deficiency
竹内 一夫
1
,
高橋 滋
1
,
野本 文幸
1
Kazuo Takeuchi
1
,
Shigeru Takahashi
1
,
Fumiyuki Nomoto
1
1群馬大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiaty, Gunma University School of Medicine
pp.1181-1183
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204233
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
うつ病患者における甲状腺機能障害については近年多くの報告がなされている。またうつ状態に甲状腺ホルモン剤の治療が試みられている。
今回われわれは,血中トリヨード・チロニン(T3),血中チロキシン(T4)の低下を認め,甲状腺機能低下症が疑われたが,精査の結果家族性チロキシン結合グロブリン(TBG)欠損症と診断されたうつ病の症例を経験した。TBG欠損症の患者では,T3およびT4の低下をみるが,遊離トリヨード・チロニン(FT3),遊離チロキシン(FT4)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値は正常で,甲状腺ホルモン剤の治療は必要ないといわれる。
うつ病患者に血中甲状腺ホルモンの低下を認める時,TBG欠損症を念頭において治療すべきであると考え報告する。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.