Japanese
English
研究と報告
うつ病者の脳波定量分析による研究—その1.横断的特徴について
A Quantitative EEG Study in Patients: with Endogenous Depression (I)
森 隆夫
1
,
秋山 美紀夫
1
,
遠藤 俊吉
1
,
小島 大輔
1
,
木村 真人
1
,
倉岡 幸令
1
Takao Mori
1
,
Mikio Akiyama
1
,
Shunkichi Endo
1
,
Daisuke Kojima
1
,
Mahito Kimura
1
,
Yoshihiro Kuraoka
1
1日本医科大学精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Nippon Medical School
キーワード:
EEG analysis
,
Hemispheric differences
,
Depression
Keyword:
EEG analysis
,
Hemispheric differences
,
Depression
pp.751-755
発行日 1986年7月15日
Published Date 1986/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204176
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抄録 右ききの内因性うつ病者(27例)ならびに正常対照者(12例)の安静閉眼時における脳波を,F. F. T. を用いた脳波基礎律動分析プログラム(easy)を使用して,α-peakの振幅について左右前頭-頭頂の関係を検討した。その結果,PF-INDEX〔(P4,P3-F4,F3/P4,P3+F4,F3)×100〕は,左右ともうつ病者群と正常対照者群の間に有意な差を示し,とくにうつ病者群の劣位半球側においては,頭頂部に比し前頭部のα-peakの振幅が明らかに高い(P<0.02)。左頭頂部を基準とした相対的比較を行うと,うつ病者群は正常対照者群に比し,左右前頭部の振幅は高く,とくに右前頭部において著明に高く,右頭頂部の振幅が低いというバランスの移動がみられた。このことから,左右前頭-頭頂の相対的関係において,うつ病が大脳半球とくに劣位半球における何らかの特殊な状態にある可能性が示唆された。
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