Japanese
English
研究と報告
コルサコフ症状群を呈したSheehan症候群の1例
A Case of Sheehan's Syndrome with Korsakoff's Syndrome
川勝 忍
1
,
矢崎 光保
1
,
十束 支朗
1
,
菅原 光弥
2
Shinobu Kawakatsu
1
,
Mitsuyasu Yazaki
1
,
Shiro Totsuka
1
,
Mitsuya Sugawara
2
1山形大学医学部精神神経医学教室
2南浜中央病院精神科
1Department of Neuro-psychiatry, Yamagata University School of Medicine
2Department of Neuro-psychiatry, Minamihama Chuo Hospital
キーワード:
Korsakoffs syndrome
,
Hypopituitarism
,
Sheehan's syndrome
Keyword:
Korsakoffs syndrome
,
Hypopituitarism
,
Sheehan's syndrome
pp.537-543
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204149
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抄録 既往に人工妊娠中絶,流・死産を繰り返し,38歳で人工妊娠中絶後,無月経になり,4年を経て,意欲低下・抑うつ,不活発などの内分泌精神症状群や記銘力低下が出現し,あわせて恥毛,腋下毛の脱落,全身倦怠,多飲・多尿などの身体症状を伴う47歳の女性例を経験し,Sheehan症候群と診断した。とくに精神症状として,人物誤認,作話,見当識障害,記銘力障害が顕著にみられ,コルサコフ症状群と考えられた。また,これらの症状はホルモン補充療法によっても改善がみられず,長期間持続しており,脳器質性障害が示唆された。また,諸検査の結果,下垂体前葉機能不全だけでなく,尿崩症や高プロラクチン血症など,視床下部—下垂体系の障害もみられた。Sheehan症候群では,ホルモン補充療法が奏効するため,早期に診断することが必要であると思われた。
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