今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
月経異常
14.Sheehan症候群
高橋 慎治
1
,
久保田 俊郎
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生殖機能協関学
pp.454-457
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102632
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1 概 念
Sheehan症候群は1937年に英国の病理組織学者Harold L. Sheehanが,その病理解剖所見から明らかにした内分泌疾患である1).
分娩時の大出血によるショックに伴い,下垂体門脈系の梗塞が起こり,その結果下垂体細胞が障害されて下垂体機能不全を呈するものをいう.壊死は主に前葉の前下方に生じ,後葉機能不全は稀である.重篤な産科ショックの約15%に発症することが知られている2).
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