Japanese
English
短報
妊娠中の分裂病者への向精神薬使用について
The Use of Neuroleptic Drugs for Schizophrenic Patients during Pregnancy
須賀 良一
1
,
三浦 まゆみ
1
,
八幡 剛喜
1
,
鈴木 孝明
2
,
湯沢 秀夫
2
Ryouichi Suga
1
,
Mayumi Miura
1
,
Gouki Yahata
1
,
Koumei Suzuki
2
,
Hideo Yuzawa
2
1新潟大学医学部精神科
2新潟大学医学部産婦人科
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Niigata University
2Department of Obstetrics & Gynecology, School of Medicine, Niigata University
pp.101-103
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204093
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I.はじめに
近年の向精神薬の使用は分裂病の軽症化をもたらし,女性患者の結婚・妊娠・出産の機会を増加させたように思われる。しかし,女性分裂病者の妊娠・出産に際しては,分裂病の遺伝,妊娠・出産が分裂病に与える影響,向精神薬が胎児に与える影響などに関するいくつかの問題点があり,分裂病者の妊娠に直面した医師はその対応に苦慮することが多いものと推測される。医師の対応の中で最も問題となるのは,現在使用している向精神薬をどうするかという点と思われる。一般的には妊娠中は向精神薬を使用しない方が良いという程度の認識しかなく,妊娠中の投薬の是非についてはあまり考察されていない。そこで新潟大学精神科で治療中に妊娠し,新大産科で出産した5例を経験したので,これらの症例を足がかりとして妊娠中の分裂病者への向精神薬使用の問題を考察してみたい。
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