Japanese
English
研究と報告
うつ病の社会交化的研究—その日本的特性
A Sociocultural Study of Depressive Disorders among Japanese
高橋 良
1
,
矢崎 妙子
2
,
北西 憲二
3
Ryo Takahashi
1
,
Taeko Yazaki
2
,
Kenji Kitanishi
3
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
2東京医科歯科大学保健管理センター
3東京慈恵会医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Tokyo Medical & Dental University
2Health Service Center, Tokyo Medical & Dental University
3Department of Neuropsychiatry, Tokyo Jikei-kai Medical College
キーワード:
Standardized assessment of depressive disorders
,
Life events
,
Modernization
,
Patients grown up pre-war period
,
Patients grown up post-war period
Keyword:
Standardized assessment of depressive disorders
,
Life events
,
Modernization
,
Patients grown up pre-war period
,
Patients grown up post-war period
pp.1391-1401
発行日 1985年12月15日
Published Date 1985/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204053
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抄録 うつ病は数が増加しているだけてはなく,うつ病そのものも変化しているのではないかの問いに答えるために,2つの方法で調査を行った。第1の方法は統計的方法といえるもので,社会文化的背景の異なる東京のうつ病114例と,長崎のうつ病108例について,うつ病の症状を比較検討した。第2の方法として,東京のうつ病24症例を出生年により「戦前成育群」と「戦後成育群」に分け,発病に誘発的に関与した日常生活の出来事と,精神病理の分析を行った。その結果,東京のうつ病が都市型うつ病であるのに対して,長崎のうつ病は古典的うつ病であることが推測され,日常生活の出来事については,「戦前成育群」では家族/世帯や社会関係のなかの出来事が,「戦後成育群」では個人や生計に関する出来事が多く,両者間に統計的有意差がみられた。また「戦後成育群」の日常生活の出来事は,個人の興味の範囲内に限られ,自責感や罪責感情は生じにくいことが判明した。
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