Japanese
English
短報
DantroleneとBromocriptineが奏効したと思われる悪性症候群の2例
Two Cases of Syndrome Malin Treated with Dantrolene and Bromocriptine
有田 忠司
1
,
伊藤 陽
1
,
恩田 晃
2
,
武内 広盛
2
,
不破野 誠一
2
,
佐野 孝
3
Tadashi Arita
1
,
Noboru Itoh
1
,
Akira Onda
2
,
Hiromori Takeuchi
2
,
Seiichi Fuwano
2
,
Takashi Sano
3
1新潟大学医学部精神医学教室
2国立犀潟療養所
3白根緑ケ丘病院
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, Niigata University
2Saigata National Sanatorium
3Shirone Midorigaoka Mental Hospital
pp.966-969
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203998
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I.はじめに 悪性症候群syndrome malinは,荻田ら(1983年)4)によると,本邦では数十例の症候報告があり,そのうち30%以上が死亡していると言われる。そして,このような高死亡率の原因として,悪性症候群の病初期を見逃し重症化させてしまうこと,悪性症候群の原因が十分解明されておらず治療方法が確立していないこと,であると述べている。
この度,われわれは神経遮断薬の投与と関連した持続性高体温,錐体外路症状および自律神経症状などの身体症状と昏迷,緘黙などの精神症状を伴った悪性症候群に骨格筋弛緩剤であるdantroleneと持続性ドパミン作動薬であるbromocriptineを投与し,その臨床症状を比較的早期に改善せしめた2症例を経験したので報告する。
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