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研究と報告
抗うつ薬amoxapineの投与法別にみた臨床効果と血中濃度—1日1回法と3回法の二重盲検比較
A Double-blind Study Comparing Divided and Single Doses of Amoxapine
岸本 朗
1
,
国元 憲文
1
,
小椋 力
1
,
筒井 俊夫
1
,
挾間 秀文
1
,
釜瀬 春隆
2
Akira Kishimoto
1
,
Norifumi Kunimoto
1
,
Chikara Ogura
1
,
Toshio Tsutsui
1
,
Hidebumi Hazama
1
,
Harutaka Kamase
2
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
2島根県立中央病院精神科
1Department of Neuro-psychiatry Tottori University School of Medicine
2Shimane Prefectural Central Hospital
キーワード:
Amoxapine
,
Divlded and single doses
,
Plasma concentration
,
Double-blind study
Keyword:
Amoxapine
,
Divlded and single doses
,
Plasma concentration
,
Double-blind study
pp.835-844
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203982
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抄録 43例のうつ状態の患者にamoxapine(AMX)1日量30mgもしくは75mgを,1日1回投与法と1日3回投与法の2群に無作為に分け,二重盲検法によっ治療効果,副作用を比較した。またAMXとその活性代謝物である8-hydroxyamoxapine(8-OHAMX)の血漿濃度を測定し,それらと治療効果との関係を検討した。両投与群間には背景因子に関して有意差を認めなかった。治療開始後1〜4週の全治療期間を通して,3回投与群における著明改善例の割合は1回投与群におけるそれより高かったが有意差はなかった。しかし患者の自己評価で「大変具合がいい」とするものが3回投与群で有意に多かった(P<0.05),また4日以内に効果発現を認めたものも,3回投与群で有意に多かった(P<0.05)。副作用の比較では,3回投与群に口渇の出現したものが有意に多かった。治療経過中にみられた血漿中AMX+8-OHAMX濃度の最大値が75ng/ml以上のものでは,75ng/ml未満のものに比べて症状残存率の低いものが有意に多かった。
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