Japanese
English
研究と報告
二重盲検法によるZotepineとTiotixeneの精神分裂病に対する薬効比較
Comparison of Therapeutic Effect of Zotepine and Tiotixene in Schizophrenia
岡田 正範
1
,
更井 啓介
2
,
児玉 宣久
2
,
石津 宏
2
,
曽根 喬
2
,
中原 俊夫
2
,
中川 一広
2
,
井手下 久登
2
,
山崎 正数
2
,
瀬良 裕邦
2
,
河村 隆弘
1
,
浜野 浩枝
3
,
石井 知行
4
,
増田 勝幸
5
,
石川 博也
6
,
淺田 成也
7
1県立広島病院精神科
2広島大学神経精神医学教室
3農協吉田病院精神科
4大竹新生病院
5比治山病院
6西条精神病院
7淺田病院
キーワード:
Zotepine
,
Tiotixene
,
Schizophrenia
,
Double-blind study
Keyword:
Zotepine
,
Tiotixene
,
Schizophrenia
,
Double-blind study
pp.947-965
発行日 1980年9月15日
Published Date 1980/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203149
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抄録 Zotepine(ZT)の精神分裂病に対する治療効果および安全性を,tiotixene(TT)を対照薬とした二重盲検法により検討した結果,ZTの最終全般改善度は53%,TTのそれは52%で,両群間に有意差はみられなかった。
OverallらのBPRSによる精神症状の改善率は,運動制止,猜疑心,衒奇症と奇妙な動作ではZT群の方が高く,幻覚体験,身体的懸念,不安,罪責感,緊張,抑うつ気分,非協力性ではTT群の方が高かったが有意差はなかった。この結果から,ZTは賦活,抗異常体験の両面の作用を有することが確認された。
副作用では,不眠がZT群に,口渇がTT群にそれぞれ有意に少なかった。賦活剤にありがちな副作用としての不眠がZTに少ないことは大きな特徴といえよう。臨床検査成績では問題にすべき変動や異常値はみられなかった。
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