Japanese
English
研究と報告
Carbamazepineの躁うつ病に対する予防効果—長期投与例についての検討
Prophylactic Effects of Carbamazepine on Manic Depressive Psychosis through Long Term Observation
岸本 朗
1
,
小椋 力
1
,
挾間 秀文
1
,
井上 絹夫
2
Akira Kishimoto
1
,
Chikara Ogura
1
,
Hidebumi Hazama
1
,
Kinuo Inoue
2
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
2但馬病院
1Dept. of Neuro-Psychiatry, Tottori University School of Medicine
2Tajima Hospital
キーワード:
Carbamazepine
,
Manic depressive psychosis
,
Prophylactic efficacy
Keyword:
Carbamazepine
,
Manic depressive psychosis
,
Prophylactic efficacy
pp.1203-1211
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203496
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抄録 1975年,著者らは躁うつ病者にcarbamazepine(CBZP)を使用し,うち51例において,CBZPの躁うつ病相出現予防効果について報告した。今回は前回の報告例のうち,CBZPの総投与期間が,今日までに合計2年(104週)以上に及んだ29例について,あらためて予防効果の再評価を試みた。これら29例の全症例は,前回報告後もCBZPの継続投与がなされていた。したがって29例のCBZP投与の観察期間は,2年1ヵ月〜10年6ヵ月(平均6年2ヵ月)におよび,予防効果の総括では,躁うつ病相の完全抑制例(CBZP使用期間中,まったく病相出現のみられなかったもの)は3例,不完全抑制例(ある程度の病相出現抑制効果のあったもの)は19例,および抑制不能例(効果のなかったもの)は7例であった。この結果は前回報告時に比較して,完全抑制(著効)例が減少して,不完全抑制(有効)例が増加したことを示しているが,経過観察延長によっても,抑制不能(無効)例はそれほど増加せず,躁うつ病相再発の予防にCBZPが有用であることを示すものと考えられた。
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