動き
家族画研究会印象記
吉野 啓子
1
1宇都宮大学保健管理センター
pp.441
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204699
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家族画研究会の第5回ワークショップが昭和63年9月23日に京大会館で開催され,翌24日に第7回大会が同所にて開かれた。ワークショップのテーマは「私の表現病理学」というもので,発表された諸先生方にはそれぞれ工夫が感じられた。
最初に京都大の山中康弘氏によって「絵画療法と深層心理」と題して,臨床図像学的な発表がなされ,演者の力説する表現心理学と表現病理学の双方が余すところなく視野に入ってきた。本来の発表者(宮本忠雄氏)が参加できないため,ピンチヒッターとして急拠出席されたとのことだったが,箱庭療法の前に絵画療法があったという氏の心理療法の原点が示されていて興味深く,十分にその責を果たしておられた。2番手には京都大の木村敏氏が「表現と精神病理」の題で話された。氏は精神科における症状を表現ととらえ直し,Zutt,西田幾太郎,キエルケゴールを引用しながら,分裂病に焦点を絞って話を進められた。
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