Japanese
English
研究と報告
Alzheimer病とBinswanger病の合併—4剖検例の臨床的検討
A Combination of Alzheimer and Binswanger Diseases A clinical study of 4 autopsied cases
小阪 憲司
1,2
,
池田 研二
2
Kenji Kosaka
1,2
,
Kenji Ikeda
2
1東京都精神医学総合研究所神経病理研究室
2東京都立松沢病院
1Division of Neuropathology, Psychiatric Research Institute of Tokyo
2Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
キーワード:
Alzheimer disease
,
Binswanger disease
,
Clinical features
,
CT scan
Keyword:
Alzheimer disease
,
Binswanger disease
,
Clinical features
,
CT scan
pp.1085-1093
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203837
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 病理学的にAlzheimer病とBinswanger病の合併と診断された4症例を報告し,臨床像とCT像の特徴を述べた。この4例は12〜19年の経過をとり,臨床的にAlzheimer病と脳動脈硬化症(1例ではBinswanger病)の合併と診断された。10年以上の経過をとった典型的Alzheimer病例と比較すると,以下の特徴が指摘できた。1)高血圧があり,しかも血圧の変動が目立つ時期がある,2)一過性の脳虚血発作が時にある,3)夜間の不穏・興奮・せん妄が目立つ時期がある,4)その際,同じことを大声で何十分何時間も繰り返し,いわば常同性言語不穏とでもいう症状がみられることがある,5)症状の変動(寡黙・寡動←→多動・不穏)が目立つ時期がある,6)時に焦点性けいれん発作や局所性神経症状がみられる,7)動脈硬化の所見がある,8)脳波上,全般性徐波化に加えて左右差や局所性異常がみられることがある,9)CT上,著しい脳表萎縮と脳室拡大に加えて大脳白質に境界鮮明な低吸収域が広範に広がる。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.