今月の主題 高齢者医療の新しい視点
高齢者に特徴的な症状への対応
夜間せん妄とうつ状態
笠原 洋勇
1
1東京慈恵会医科大学柏病院精神神経科
pp.1305-1307
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903736
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ポイント
●せん妄は意識水準の低下があり,数時間から数日以内の持続をみる.
●せん妄は,多くは夜間や暗所で増悪し,不安や興奮をみるために夜間せん妄と呼ばれる.
●老年期の夜間せん妄では,幻覚がはっきりせず,鈍く,欠落している.
●せん妄は不明瞭な言葉,振戦,協調運動障害などを伴う.
●老年期のうつ状態では,不眠,食欲不振,便秘,倦怠を認め,気分の抑うつ,不安,心気などを認めるが,制止は少ない.
●老年期のうつ病では,せん妄や仮性痴呆を伴うことがある.
●うつ状態では,朝から午前中が不調で日内変動を示す.
●せん妄,抑うつ状態ともに薬物療法のほか,身体疾患の管理,精神療法を必要とする.
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