Japanese
English
短報
精神症状で発症し伝染性単核症による脳炎と考えられた1例
A Case of Infectious Mononucleosis Encephalitis Initially Presenting with Psychiatric Systems
松石 竹志
1,2,3
,
宮内 利郎
1
,
矢花 辰夫
1
,
横井 晋
1
Takeshi Matsuishi
1,2,3
,
Toshiro Miyauchi
1
,
Tatsuo Yabana
1
,
Susumu Yokoi
1
1横浜市立大学医学部神経科
2現:神奈川県総合リハビリテーションセンター
3現:七沢障害・交通リハビリテーション病院精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Yokohama City University
pp.225-230
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203726
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
精神症状が先行したり,前景に立つ脳炎については,近年多くの報告2,3,8,13)をみる。しかし,意識障害をはじめとする脳炎の徴候に欠ける症例では,病初期からの臨床診断が困難な場合も少なくない7,10,12)。今回,我々は明確な意識障害,巣症状などの神経症状が目立たず,幻覚妄想状態の精神症状が前景にたち,当初内因性精神病が疑われたが,その経過中に髄液,脳波所見等からウイルス脳炎と診断された症例を経験した。なお本症例は経過中に,発熱,発疹,リンパ節腫脹,特有の血液豫などの典型的な伝染性単核症の臨床症状を呈し,またその原因ウイルスとされているEBウイルスの抗体価の上昇をみており,本脳炎の起因ウイルスと考えられたので,若干の考察を加えて報告する。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.