Japanese
English
研究と報告
口部ジスキネジアの類型化の試み—表面筋電図を用いた検討
A Trial of Classification on Oral Dyskinesia: A pilot study with global EMG
松永 哲夫
1
,
大山 繁
1
Tetsuo Matsunaga
1
,
Shigeru Oyama
1
1熊本大学医学部神経精神科教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
Oral dyskinesia
,
Global EMG
Keyword:
Oral dyskinesia
,
Global EMG
pp.637-643
発行日 1983年6月15日
Published Date 1983/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203602
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(1)精神病院入院患者221例(男112,女109)を調査して,そのうち10.0%にODが認められた。対象を分裂病者に限ると,14.3%o(19/133)であった。ODが認められた群の年齢は,平均53.9土3.87(S. E.)歳で,全体と比べて,有意に高齢であった。また女性における出現率は,男性と比べて有意に高かった。向精神薬と抗パ剤の服用量,血清PRL値は対照と比べて,差はなかった。
(2)ODが認められた19例を,表面筋電図で1型(N=9)とn型(N=10)に分けて比較検討した。
1型は,高齢(65歳以上),向精神薬と抗パ剤の服用無,血清PRL正常などと相関が高く,それに対してII型は,比較的若年(初老期以前),向精神薬と抗パ剤の服用有,血清PRL高値などと相関が高かった。
(3)筋電図のII型の律動性,年齢,向精神薬,抗パ剤などの要囚から,表面筋電図で分けられるODの2つの類型は段階(stage)を表わすものであり,2つの型はparkinsollism-rabbit syndromeの延長線上にあるものと考えた。
(4)ODという多要因性の症候群について,いろいろ検討を行なう場合,いくつかの類型に分けることは重要なことであり,表面筋電図はパラメーターの一つとして有用であると思われる。
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