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特集 児童精神医学の現状と将来—都立梅ケ丘病院30周年記念シンポジウムから
思春期—治療をめぐって
Adolesccnce: Psychiatric understanding and treatment
小倉 清
1
Kiyoshi Ogura
1
1関東中央病院精神神経科
1Department of Neuro-psychiatry, Kanto Chuo Hospital
pp.825-831
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203626
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I.思春期という時期の特殊性について
思春期を大雑把に小学校の高学年くらいから,中学生を経て高校生くらいまでの年齢に当る時期と考えてみる。この時期は人の成長の中で,心身ともに激動の時といえよう。もっとも人の一生の中で,これが楽な時期であるとか,これは少し手抜きをしてもいい時期であるといったものはないのであろう。生きるということは常に大変で苦しい。人は生まれてから死ぬまでどの時期をとってみても,その時その時の大変な課題をもって生きているわけである。特に思春期が大切で大変で,特殊な時期であるというわけでもない。しかし,思春期の人々の治療を考えてみる時,思春期という時期がもっている特殊性について考えをめぐらすことは大切であろう。そこには治療についての特殊性を考える上での材料が隠されていると考えられるからである。
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