動き
「第19回日本生物学的精神医学会」印象記
本橋 伸高
1
1国立精神・神経センター武蔵病院
pp.784
発行日 1997年7月15日
Published Date 1997/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904368
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第19回日本生物学的精神医学会は,3月26〜28日大阪梅田スカイビルで,関西医科大学教授齋藤正己会長のもとに開催された。昨年の学会に引き続いての大阪開催であったが,中心街に新しくできた高層の施設は人の目を十分に楽しませてくれた。
今回の学会で神経科学のめざましい発展が日本の精神医学に大きな影響を与えていることが痛感された。例えば,遺伝子の研究は技術的に洗練されており,既知の遺伝子についての研究のみならず,疾患に関係する未知の遺伝子を探求する報告も現れていた。一卵性双生児での精神分裂病不一致例の遺伝子解析(長崎大)や精神異常惹起物質投与による遺伝子発現(千葉大)についての研究は今後の発展が期待される。将来臨床にフィードバックできるような研究に対して,優れた技術をいかに用いるかが,これからますます大切になると思われる。
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