Japanese
English
短報
各種抗精神病薬のプロラクチン分泌能
Prolactin Response of Antipsychotic Drugs
井上 寛
1
,
小村 文明
1
,
松林 実
1
,
市川 雅己
1
,
石井 雄二
2
Hiroshi Inoue
1
,
Fumiaki Omura
1
,
Minoru Matsubayashi
1
,
Masami Ichikawa
1
,
Yuji Ishii
2
1鳥取大学医学部精神科
2但島病院
1Department of Psychiatry, Tottori University School of Medicine
2Tajima Mental Hospital
pp.989-992
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203471
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I.はじめに
抗精神病薬の抗dopamine作用について多くの研究がある。抗精神病薬の抗dopamine作用を知るには髄液中のhomovanilic acidを測定する方法がある。しかし,この場合髄液を必要とすること,homovanilic acidは抗精神病薬投与後,2,3週間で基礎値まで下降したりするため経時的に抗精神病薬の抗DA作用を知ることは困難である。著者らは数年来抗精神病薬の抗DA作用を知る方法としてプロラクチンを測定した。この場合,抗精神病薬を長期間投与しても血漿プロラクチン値は基礎値まで低下することなく持続的に放出されている。そのため,抗精神病薬の抗DA作用の強さを客観的に知ることができるし,また,血漿プロラクチン値は抗精神病薬投与量に比較的相関することがわかっている。しかし,各種抗精神病薬の抗精神病作用もそれぞれに異なっており,プロラクチン分泌能も異なっている。そこで,今回,各種抗精神病薬とプロラクチン分泌能を精神分裂病者を対象に調査したので報告する。それと同時に各種抗精神病薬のプロラクチン分泌能からみた抗精神病薬の抗DA作用の位置づけをし,精神分裂病の薬物療法のあり方について述べる。
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