Japanese
English
研究と報告
躁うつ病の予後に及ぼす治療状況因子の分析—治療終結との関連
An Analysis of the Factors Related to the Prognosis of Manic: depressive Psychosis in Connection with the Termination of Therapy
藤原 豊
1
,
図子 義文
2
,
片山 かほる
3
,
山田 了士
4
,
原田 俊樹
1
,
柏原 健一
5
,
堀井 茂男
1
,
大月 三郎
1
Yutaka Fujiwara
1
,
Yoshifumi Zushi
2
,
Kaoru Katayama
3
,
Ryoji Yamada
4
,
Toshiki Harada
1
,
Kenichi Kashihara
5
,
Shigeo Horii
1
,
Saburo Otsuki
1
1岡山大学医学部神経精神医学教室
2三船病院
3神戸西市民病院
4広島市民病院神経科
5高知県立中央病院神経科
1Department of Neuropsychiatry, Okayama University Mcdical School
2Department of Psychiatry, Mifune Hospital
3Dcpartmcnt of Neurology, Kobe West Municipal Hospital
4Dcpartment of Neurology, Hiroshima Municipal Hospital
5Department of Neurology, Kochi Municipal Central Hospital
キーワード:
Prognosis
,
Manic-depressive psychosis
,
Termination of therapy
Keyword:
Prognosis
,
Manic-depressive psychosis
,
Termination of therapy
pp.1037-1042
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204006
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抄録 躁うつ病の寛解後に治療終結を行なう際の適確性を検討する目的で,長期の予後状況と種々の因子との関係を調査した。岡山大学精神神経科に昭和39年から48年までの10年間にうつまたは躁状態で入院した295名を対象として抽出し,アンケート調査の後,回答例86名についてカルテによる調査を行なった。次の病相までの治療状況によって,継続,中断,終了の3群に分類したQ継続例は,遺伝負因が多く,再発を繰り返していた。中断例は,女性に多く,すべて6カ月以内に中断し,早期再発が多かった。終了例は,すべて完全寛解例で,再発が少なく,寛解期が長かった。躁うつ病では治療終結時期を誤まると,病相の不安定化や治療への依存状態を招く。今回の結果で,6カ月以内の中断や早期再発が多いことから,完全寛解例では少なくとも6カ月程度の経過観察の後に治療終結すべきであり,その際,遺伝負因のある例や女性例では注意が必要であると考察した。
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