Japanese
English
短報
抗精神病薬によって発作性知覚変容が出現した躁うつ病の1症例
Neuroleptic-induced Paroxysmal Perceptual Alteration in a Patient with Manic-depressive Psychosis
福迫 博
1
,
外園 善朗
1
,
竹之内 薫
1
,
松本 啓
1
,
滝川 守国
2
,
児玉 祐一
3
Hiroshi FUKUZAKO
1
,
Yoshiro HOKAZONO
1
,
Kaoru TAKENOUCHI
1
,
Kei MATSUMOTO
1
,
Morikuni TAKIGAWA
2
,
Yuichi KODAMA
3
1鹿児島大学医学部神経精神医学教室
2鹿児島大学保健管理センター
3児玉病院
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kagoshima University
2Health Science Center, Kagoshima University
3Kodama Hospital
キーワード:
Paroxysmal perceptual alteration
,
Neuroleptics
,
Manic-depressive psychosis
Keyword:
Paroxysmal perceptual alteration
,
Neuroleptics
,
Manic-depressive psychosis
pp.759-761
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903697
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■はじめに
近年,長期間にわたる抗精神病薬による治療中に,知覚変容を主として,それに錐体外路症状や自律神経症状を伴って発作性に出現する症状が注目されている。これは,山口・中井5)が知覚変容発作と名づけて,精神分裂病における一過性の再燃徴候としたことに端を発する。その後,樋口ら1),佐藤ら2),渡辺6)が精神分裂病の症例において,このような特徴を有する症例に関する研究を行い,本症状群と抗精神病薬の使用が密接な関係を有する症例があることを指摘した。
ところで,現在までに報告されたものは,そのほとんどが精神分裂病の症例である。筆者らは,発作性知覚変容(paroxysmal perceptual alteration;以下PPAと略す)が出現し,その発現に抗精神病薬の使用が関与していることが推察された躁うつ病の症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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