Japanese
English
研究と報告
脳障害回復期にみられたヒステリーの2症例—Kraepelin,Kretschmer,Klagesの理論による解析
Two Cases of Hysteria which Appeared in the Convalescence of Syndrome malin and Encephalitis: Interpretation following Kraepelin, Kretschmer and Klages's Theories
横井 晋
1
,
八木 俊輔
1
,
佐々木 賢二
1
,
岩成 秀夫
1
,
岩淵 潔
1
Susumu Yokoi
1
,
Shunsuke Yagi
1
,
Kenji Sasaki
1
,
Hideo Iwanari
1
,
Kiyoshi Iwabuchi
1
1横浜市立大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Hysteria
,
Kraepelin
,
Kretschmer
,
Klages
,
Poverty of life
Keyword:
Hysteria
,
Kraepelin
,
Kretschmer
,
Klages
,
Poverty of life
pp.35-45
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203363
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抄録 症例1は23歳の主婦で向精神薬による治療中悪性症候群を発し,各種治療によって軽快したが,その回復期に児戯的精神症状を主とする解離型のヒステリー発作を起した。
症例2は39歳の主婦でウイルス脳炎に罹患し,治療による回復過程に転換型のヒステリー発作を起した。
両例の発症に関しその背景となる親族間の軋礫,夫との問題について追求した。
ヒステリーの生物学的,心理的機制はKraepelinの系統発生的に古い自己保存機構,Kretschmerの下層知性,下層意志機制の発現によっても説明可能と思われるが,Klagesの生の貧困すなわち造成過程の貧困による被影響性の亢進が最も適切な理論と思われる。
われわれの2症例では脳障害による身体障害が生の貧困に拍車をかけていた。
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