Japanese
English
研究と報告
Anorexia nervosaの死亡例の検討
Death in Anorexia Nervosa
高木 洲一郎
1
,
村田 佳應
1
,
光宗 勝繁
2
,
片山 義郎
1
,
浅井 昌弘
1
,
保崎 秀夫
1
Syuichiro Takagi
1
,
Yoshio Murata
1
,
Katsushige Mitsumune
2
,
Yoshiro Katayama
1
,
Masahiro Asai
1
,
Hideo Hosaki
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
2社会保険埼玉中央病院神経科
1Department of Neuro-Psychiatry, School of Medicine, Keio University
2Department of Neuropsychiatry, Saitama Central Hospital of Social Health Insurance
キーワード:
Anorexia nervosa
,
Death
,
Male
Keyword:
Anorexia nervosa
,
Death
,
Male
pp.899-906
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203990
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Anorexia nervosaの死亡例5例を報告し,文献的考察を加えた。5例中4例は思春期以外の女性例ないし男性例で,非定型例が多い。発症年齢は平均22.6歳と一般よりやや遅く,受診までの期間も著しく長い。これは病態に対する認識の極端な欠如と治療抵抗性を示唆する。死因は飢餓死2例,低血糖,自殺,不明が各1例である。死亡時体重は20〜27kgでやせは高度である。2例が剖検され,全身諸臓器の萎縮をみとめた。2例が死亡寸前の入院で,早期発見および治療者の適切な対応が必要である。重症例では入院治療によりまず積極的に栄養状態の改善をはかる必要がある。やせの希求自体高じれば一種の自殺行為であり,自殺にも留意すべきである。また本症の一人暮しは危険である。死因について記載のある文献例69例を加えて検討した。飢餓死,代謝障害,循環障害など栄養障害が死因の51%を占める。低血糖や感染症の合併にも留意すべきである。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.