Japanese
English
研究と報告
新benzodiazepine製剤(triazolam)による短期記憶の障害
Impairement of Short Term Memory Induced by A New Benzodiazepine (Triazolam)
挾間 秀文
1
,
川原 隆造
1
Hidebumi Hazama
1
,
Ryuzo Kawahara
1
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Tottori Univ. School of Medicine
キーワード:
A new benzodiazepine (triazolam)
,
A hypnotic
,
Prolonged effect
,
Short term memory
,
Transient global amnesia
Keyword:
A new benzodiazepine (triazolam)
,
A hypnotic
,
Prolonged effect
,
Short term memory
,
Transient global amnesia
pp.361-365
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203243
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抄録 Benzodiazepine系薬剤服用の結果生じたと思われる,記憶とくに短期記憶の障害例について述べた。症例は51歳健康男子で,triazolam(1mg)を服用して8〜9時間の睡眠をとり,一旦自然覚醒して日常行動を開始したが,その後4〜5時間,意識障害があったと考えられる状態はなく,目的行動を支障なく遂行できていたにもかかわらず,その間の行動をほとんど完全に想起できなかった。当時の言動から逆行性健忘はなく,また即時記憶,見当識,注意力は保たれていたと思われるが,主として短期記憶のみが覚醒後数時間持続して障害された結果,一過性全健忘に似た状態を呈したものと思われる。その後,同一症例に対しtriazolamの再投与を行って状態を観察した結果,triazolamの常用量上限,あるいはそれをわずかに越す用量の服用によって一定時間の睡眠をとって覚醒した後,prolonged effectとして短期記憶の障害を来しうることを確認した。
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