Japanese
English
臨床実験
新らしいBenzodiazepine誘導体(Horizon)の使用試験について
Clinical use of Horizon-new Benzodiazepine derivative
松井 瑞夫
1
Mizuo Matsui
1
1日大眼科
1Department of Ophthalmology, School of Medicine, Nihon University
pp.739-743
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202976
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I.緒言
最近の向精神薬剤の進歩はめざましく,次々に新らたな薬剤が開発せられているが,これらの薬剤のうち,ほぼ効果の確認せられたものを,笠松教授は第1表の如く分類せられている。これらの薬剤のうち,Chlordiazepoxideは,従来使用せられていたPhenothiazine系誘導体やMepro—bemate等と,化学構造式の全く異つたものであり,現在では,精神神経科領域をはじめ,臨床各科において極めて広範に使用せられている。さらに最近,Roche研究所よりBenzodiazepine誘導体Horizon (7—chloro−1, 3—dihydro−1—me—thyl−5—phenyl−2 H−1,4—benzodiazepine−2—one)が開発,発売せられた。Chlordiazepoxideと比較のため構造式を示すと,第2表の如くである。基本構造はChlordiazepoxideと全く同じben—zodiazepineであるが,その分子構造の差異は第2表にみる如くである。このような分子構造の僅かの差異により,薬理学的には質的にも量的にも著明な差異を示すという。もしChlordiazepo—xideと同量のHorizonを投与すると,Chlor—dazepoxideと同様の薬理作用が示されるのであるが,その鎮静作用と筋弛緩作用は遙かに著明であるという。
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