Japanese
English
研究と報告
精神分裂病の親子発症例について
A Clinical Survey of Schizophrenia appearing in a Parent and Children
田中 雄三
1
,
小野田 倉三
1
,
川原 隆造
1
,
久田 研二
1
,
挾間 秀文
1
,
田中 潔
2
Yuzo Tanaka
1
,
Kurazo Onoda
1
,
Ryuzo Kawahara
1
,
Kenji Kuda
1
,
Hidebumi Hazama
1
,
Kiyoshi Tanaka
2
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
2国立療養所鳥取病院
1Dept. of Neuro-Psychiat., Tottori Univ. School of Medicine
2Tottori-Byoin National Sanatorium
キーワード:
Appearance of schizophrenia
,
Parent and children
,
Mother-child relationship
,
Disposition
Keyword:
Appearance of schizophrenia
,
Parent and children
,
Mother-child relationship
,
Disposition
pp.133-142
発行日 1981年2月15日
Published Date 1981/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203216
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抄録 鳥取,島根両県下の精神病院のうち8施設の協力を得て,分裂病の親子発症例23組について調査を行ない以下の結果を得た。
1)分裂病親子発症例23組のうち,母子発症例は17組,父子発症例は6組で,母子発症例が父子発症例より著しく多かった。
2)病型別にみると親の病型は,妄想型(10名)が最も多かった。子の病型は破瓜型が16名で多数を占めていた。また,親子の病型の一致例は9組(約39%)であり,このうち破瓜型の一致例が最も多く7組であった。
3)調査時の精神状態は,親子とも完全寛解例はなく,組合せとしては親子とも軽快,あるいは親軽快,子社会的寛解という例が多かった。全体的にみると親より子の方に精神状態のよいものが多かった。
4)親子の初発年齢を比較してみると,親では30歳以上で初発する例が半数近くあるが,子では20歳前後の発症が最も多かった。
5)その他,罹病期間,入院回数,教育歴,家族構成などについても調査し若干の検討を加えた。
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