Japanese
English
研究と報告
向精神薬服用中の女子精神疾患患者の出産について
On the Delivery of Women in Treatment with Psychotropic Drugs
田中 雄三
1
,
土屋 均
1
,
浜崎 豊
1
,
挾間 秀文
1
,
梅沢 要一
2
,
宮本 慶一
2
,
松田 明子
2
,
有田 茂夫
2
,
小村 文明
2
,
西田 政弘
3
,
松下 棟治
4
,
土井 清
5
Yuzo Tanaka
1
,
Hitoshi Tsuchiya
1
,
Yutaka Hamazaki
1
,
Hidebumi Hazama
1
,
Yoichi Umezawa
2
,
Keiichi Miyamoto
2
,
Akiko Matsuda
2
,
Sigeo Arita
2
,
Fumiaki Omura
2
,
Masahiro Nishida
3
,
Toji Matsushita
4
,
Kiyoshi Doi
5
1鳥取大学医学部神経精神医学教室
2島根県立湖陵病院
3松江赤十字病院精神科
4山陰労災病院神経科
5国立療養所鳥取病院
1Department of Neuropsychiatry, Tottori University School of Medicine
2Simane Prefectural Koryo Hospital
3Department of Psychiatry, Matsue Red Cross Hospital
4Department of Neurology, San-In Rosai Hospital
5National Sanatorium Tottori Hospital
キーワード:
Psychotropic drug
,
Psychiatric patient
,
Delivery
,
Teratogenicity
Keyword:
Psychotropic drug
,
Psychiatric patient
,
Delivery
,
Teratogenicity
pp.297-306
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204679
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抄録 向精神薬服用中の女子精神疾患患者の出産について自家例を中心に検討した。対象は,精神分裂病圏10名(児16名),躁うつ病圏3名(児3名),神経症圏4名(児6名),計17名(児の総数25名)である。
1)精神分裂病圏の10名は,計16回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の抗精神病薬を服用していたが,児16名に奇形を認めなかった。また,1名を除いて全例満期産であり,低体重児は認めなかった。全例とも現在のところ心身の発達は正常である。2)躁うつ病圏の3名は各々1回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の三環系抗うつ薬を服用していた。児3名中1名に出生後けいれん発作と両側耳介折れ耳を認めたが,以後の心身の発達は正常であった。全例満期産であり低体重児はいなかった。3名とも心身の発達は正常であった。3)神経症圏の4名は計6回の出産をし,妊娠期間中少量〜中等量の抗不安薬を服用していた。全例に奇形はなく,満期産で低体重児はいなかった。アプガールスコアは,やや低値を示したが,以後の心身の発達は正常であった。
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