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短報
一側頭葉てんかんの挿間性精神症状の背景に認めた高Phenobarbital血清レベル
High Phenobarbital Serum Level Seen in an Episodic Mental Disturbances in a Patient with Temporal Lobe Epilepsy
細川 清
1
Kiyoshi Hosokawa
1
1岡山大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Okayama University Medical School
pp.59-61
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203208
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I.はじめに
てんかんに認められる挿間性精神変調の中に,治療,ずなわち抗てんかん剤の投与との関連から生じるものがあることは,臨床場面で良く知られる事実となっている。今回一側頭葉てんかん者が2カ月近いまとまった期間,ヒステリー性と思われた失声,昏迷,転換症状などを呈したが,その背景に服用中のprimidoneより由来するphenobarbital高血清レベルを並行的に認め,減量によって上記の諸症状も消褪していくのを認めた。そして同時に何らかの感染症罹患が重複しているのをみた。本例はてんかんの挿間症を理解する上で重要な一側面を有していると思うので報告しておきたい。
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