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研究と報告
自閉症児における精神運動発達の特徴—第1報:乳幼児精神発達質問紙標準得点のプロフィール
The Characteristics of Mental and Behavioral Development in Autism: Part 1; The profile of raw scores on "Mental Development Scale for Infants and Young Children"
栗田 広
1
,
清水 康夫
1
,
太田 昌孝
1
Hiroshi Kurita
1
,
Yasuo Shimizu
1
,
Masataka Ohta
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
Autism
,
Development
,
Developmental scale
,
diagnosis
,
Remedial education
Keyword:
Autism
,
Development
,
Developmental scale
,
diagnosis
,
Remedial education
pp.15-24
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203203
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抄録 Rutterの診断基準に合致する7歳以下の自閉症児111例で,乳幼児精神発達質問紙の5領域の発達プロフィールを,発達年齢,性比の釣合った正常児および,暦年齢,発達年齢,性比の釣合った精神遅滞児の2群と比較検討した。自閉症児は両対照群児より社会,言語の発達が劣る。探索も両対照群児より劣るが,社会,言語ほどではなく,精神遅滞児との差は少ない。運動発達は精神遅滞児より優れ,正常児には劣るが,その差は最も少ない領域である。生活習慣の発達は運動に次いで正常児との差が少なく,得点と暦年齢の相関は最も高い領域で,精神遅滞児のそれより高く,正常児にも劣らない。5領域平均発達年齢/暦年齢×100と定義したDQは,発達の指標として意味をもち,最も自閉症らしい発達プロフィールは暦年齢で4歳半以上,DQ 50以上でみられ,暦年齢が上ると社会を除き,発達プロフィールは精神遅滞のそれに近づく傾向がある。質問紙法は自閉症の発達評価と診断に,一定の有用性を持つ。
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