Japanese
English
特集 社会脳をめぐって
社会脳の発達と自閉症
The Development of the Social Brain and Autism
千住 淳
1
Atsushi SENJU
1
1ロンドン大学バークベックカレッジ心理学部
1School of Psychology, Birkbeck, University of London, London, UK
キーワード:
Autism
,
Development
,
Infant
,
Face
,
Gaze
Keyword:
Autism
,
Development
,
Infant
,
Face
,
Gaze
pp.233-241
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101380
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脳機能の発達:氏か育ちか
発達研究のかかわる諸分野における古くからの問題の1つとして,「氏か育ちか(nature vs. nurture)」に関する議論がある。もちろん,遺伝子の発現は体内・体外環境からの寄与や制御を受けるため,端的には「氏も育ちも重要」というのが妥当な答えであろう。しかしながら,特に個体の行動や認知の定型・非定型発達について考えるうえで,氏(または生得的な要因)と育ち(または誕生後の環境要因)がどのように発達に寄与するか,という点は依然として重要な問題である。
社会脳など,特定の情報処理に特化した脳機能が発達するメカニズムとして,これまでに数々のモデルが呈示されてきた。これらは,大きく①氏を重視する立場(モジュール説,modular theory),②育ちを重視する立場(熟達説,expertise theory),および③それらの相互作用を重視する立場(IS説,interactive specialization theory)の3つに分けて考えることができる14)。
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