Japanese
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研究と報告
ハワイ州立精神病院における精神分裂病の経過に関する研究—慢性化の比較文化精神医学
The Chronicity of Schizophrenia in the Hawaii State Hospital from the Viewpoint of Transcultural Psychiatry
江畑 敬介
1
Keisuke Ebata
1
1東京都精神医学総合研究所
1Psychiatric Research Institute of Tokyo
キーワード:
Chronicity
,
Schizophrenia
,
Transcultural psychiatry
Keyword:
Chronicity
,
Schizophrenia
,
Transcultural psychiatry
pp.421-428
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203088
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抄録 ハワイ州立精神病院に入院している日系人と白人の長期在院分裂病者について,比較文化精神医学の観点から検討を加えた。地域精神医療網の発達しているハワイ州では,長期入院治療は例外的なのであるが,以下のような結果を得た。
(1)1976年9月1日付で,同病院の一般病棟に入院していた全分裂病者83名のうち,日系男子は19名,日系女子は7名,白人男子は13名,白人女子は8名であった。
(2)以上の分裂病者のうち,1年以上在院している長期在院患者は,日系男子は7名,日系女子は0名,白人男子が2名,白人女子が1名であった。
(3)日系人と白人の長期在院患者の全員について,著者自身が個人面接を行なったところ,日系男子のほうが白人に比べ,人格荒廃がより顕著であった。
以上の結果から,日系男子は,慢性に経過し人格荒廃に陥る傾向がより強いと考えられる。
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