Japanese
English
研究と報告
精神症状を発現した透明中隔腔およびベルガ腔症例について
On Case Studies of Cavum Septi Pellucidi and Cavum Vergae Associated with Psychiatric Symptoms
木村 健一
1
,
山里 景祥
1
,
茅野 淑朗
1
,
松橋 道方
1
,
阿部 完市
1
,
今井 良輔
2
,
尾原 義悦
2
,
溝口 藤雄
2
Ken-ichi Kimura
1
,
Keisyo Yamasato
1
,
Yoshio Chino
1
,
Michikata Matsuhashi
1
,
Kan-ichi Abe
1
,
Ryosuke Imai
2
,
Yoshietsu Ohara
2
,
Fujio Mizoguchi
2
1浦和神経サナトリウム
2済生会川口総合病院脳神経外科
1Urawa Neuropsychiatric Sanatorium
2Neurosurgery, Saiseikai Kawaguchi Hospital
キーワード:
Cavum septi pellucidi
,
Cavum Vergae
,
Psychiatric symptoms
,
Organic psychosis
Keyword:
Cavum septi pellucidi
,
Cavum Vergae
,
Psychiatric symptoms
,
Organic psychosis
pp.409-420
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203087
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抄録 透明中隔腔およびベルガ腔は,前者が15世紀,Sylvius以前に認められ,後者は1851年Andrea Vergaが最初の剖検例を報告している。前者は単なる間隙として認められることは少なくないが,時として嚢胞様の拡大を示し,後者とともに第5,第6脳室と呼称されることもある。嚢胞の症状はあまり特徴がなく,文献によく記載されているものは,頭痛,意識障害,けいれん発作,嘔吐,眩暈,言語障害,歩行障害,精神症状などである。以前は臨床的にP. E. G,V. E. Gによって見出される比較的まれな症例であったが,CT検査の普及によってより容易になってきた。
われわれの実施した頭部CT検査1,414名中,上記両者の児出された21名のうち,精神症状の発現した6名についてその臨床症状を検討し,脳器質性精神病の一つとしての透明中隔腔嚢胞(およびベルガ腔)の臨床的意義および内因性精神病との異同を論じた。
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