Japanese
English
研究と報告
単極性うつ病の「慢性化」—6カ月後の転帰の重要性とそれに関連する要因の統計学的解析
On Chronicity of Monopolar Depression: the importance of 6-month outcome and a statistical analysis of the factors related to the outcome
田中 敏恒
1
Toshihisa TANAKA
1
1新潟大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Niigata University
キーワード:
Major depression
,
Chronicity
,
6-month outcome
Keyword:
Major depression
,
Chronicity
,
6-month outcome
pp.141-147
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903603
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【抄録】 外来を初診した原発性大うつ病患者71名を対象に,その病相転帰について遡及的に調査した。その累積寛解率は治療開始後6カ月,1年,2年でそれぞれ64.8%,74.7%,84.5%であった。また,24週を境に1週当たりの寛解率がその前後で2.7%から0.25%と著明に減少していた。24週後の寛解群と非寛解群の臨床特徴を比較してみたところ,男女の別なく解析した場合に,精神障害の遺伝負因が存在すること,慢性身体疾患を合併することなどが有意に非寛解群と関連することがわかり,初診までの未治療期間が2カ月以上であることが非寛解群と関連する傾向のあることがわかった。男性に限って解析してみると,初発年齢が高いこと,精神障害の遺伝負因が認められること,慢性身体疾患を合併することなどが有意に非寛解群と関連し,女性に限ると未治療期間が2カ月以上であることが非寛解群に関連する傾向のあることが示唆された。
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