Japanese
English
研究と報告
慢性精神分裂病患者の遠隔記憶
Remote Memory in Chronic Schizophrenia
数井 裕光
1,2
,
小森 憲治郎
1,3
,
数井 美貴
1
,
山田 典史
1
,
堀野 敬
1
,
森 隆志
1
,
篠原 英明
1,4
,
橋本 衛
2
,
森原 剛史
5
,
武田 雅俊
5
Hiroaki KAZUI
1,2
,
Kenjiro KOMORI
1,3
,
Miki KAZUI
1
,
Norifumi YAMADA
1
,
Takashi HORINO
1
,
Takashi MORI
1
,
Hideaki SHINOHARA
1,4
,
Mamoru HASHIMOTO
2
,
Takashi MORIHARA
5
,
Masatoshi TAKEDA
5
1東加古川病院
2兵庫県立高齢者脳機能研究センター
3現,愛媛大学医学部神経精神医学講座
4現,榎坂病院
5大阪大学医学部精神神経科
1Higashikakogawa Hospital
2Hyogo Institute for Aging Brain and Cognitive Disorders
3Department of Neuropsychiatry, Ehime University School of Medicine
4Esaka Hospital
5Department of Neuropsychiatry, Osaka University Medical School
キーワード:
Remote memory
,
Schizophrenia
,
PANSS
,
Negative symptom
,
Frontal lobe function
Keyword:
Remote memory
,
Schizophrenia
,
PANSS
,
Negative symptom
,
Frontal lobe function
pp.937-944
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904395
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【抄録】慢性精神分裂病患者21例の過去の出来事の再認能力を検討したところ,分裂病発症前の出来事の再認は良好であったが,発症後の出来事では障害されていた。したがって,再認障害は記銘時の障害によると考えられた。さらに発症後の出来事の正答率と,PANSSの陰性尺度,および,そのいくつかの下位項目とは有意な負の相関を認めた。しかし初発年齢,罹病期間,総入院期間,テレビ視聴時間とは有意な相関を認めなかった。加えて入院中の出来事と外来治療中の出来事の成績は同等であったので,今回認められた遠隔記憶の障害は,世間から隔絶されたという環境によるものではなく,陰性症状としてみられる精神分裂病特有の病態のためであると考えられた。
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