巻頭言
予防的精神医学の普及を
松本 胖
1
1千葉大
pp.354-355
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203081
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最近の新聞はほとんど毎日のように青少年の反社会的な行動に関する記事を掲載しており,これを見るたびに,将来の社会が案じられて非常に恐ろしい気持ちにおそわれると同時に,1日も早くその原因を追究して,これらの根絶に適切な対策を構じなければならないと強く感じている。
長期にわたる大学の生活を離れてから,第一線の精神病院で外来診療を手伝っているが,そこで中学生や高校生の異常な行動についての相談を受けることが著しく多くなったばかりでなく,若い人たちの間に神経症様症状や軽度の抑うつ症状を示すものが急激に増加しつつあることに気がついた。これは精神病院に対する理解が一般に広く深まり,気軽に相談に来たり,受診するようになったためであろうと思っていた。
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