Japanese
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研究と報告
ロールシャッハ法による執着性格の研究
A Study of the Shūchaku Character: by means of the Rorschach-Test
井澤 雅子
1,2
1上智大学文学部臨床心理学教室
2順天堂大学医学部精神医学教室
1Dept. of Clinical Psychology, School of Literature, Sophia University
2Dept. of Psychiatry, Juntendo University School of Medicine
pp.79-85
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202882
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うつ病者に,軽快時・病相極期にわたりロールシャッハを施行した結果,執着性格をもつうつ病群と類似しながらも,異なるタイプと考えるべき新しい一群(A群)を見出した。この一群は,基礎性格に執着的要素を混じえながらも,neuroticな要素などが混入した非定型群とでもいうべき一群であり,ロールシャッハからは規範的なものに縛られている一方,感情統制機能の弱さ・対人不安・男性的役割のとれなさなどが示唆された。臨床的にみると彼らの場合,家の中での役割に執着しながらも役割を荷ないきれていないところに問題が発生しやすく,生活史的には父親的役割をもっ養育者に恵まれない一方,長子としての期待を背負わされていた。
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