Japanese
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研究と報告
ロールシャッハ精神診断法による尊属殺人者の研究
A Study on Parricide by the Rorschach's Psychodiagnostics
坪井 孝幸
1
,
中村 一夫
1
T. Tsuboi
1
,
K. Nakamura
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, University of Tokyo, School of Medicine
pp.839-846
発行日 1960年12月15日
Published Date 1960/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200285
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序
殺人ほどさまざまな人によつて,またさまざまの動機から行なわれる犯罪はない。しかし,そのうちでも親が子の犠牲となることは特別の場合である。犯人が精神的に,あるいは道徳的に欠陥を有していたか,または犠牲者である親が暴虐非道の人であつたとか,さまざまな特殊の事情を考慮しなければならない。
私たちは尊属殺人者の精神医学的・犯罪学的研究の結果,犯人が精神異常者であつた場合,犠牲者の人格に問題のあつたもの,両者ともに人格異常のあつた場合などがあることはすでに指摘した13)。
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