古典紹介
—Gilles de la Tourette—Etude d'une affection nerveuse caractérisée par de l'incoordination motorice accompagnée d'écholalie et de coprolalie—第2回
保崎 秀夫
1
,
藤村 尚宏
1
Hideo Hosaki
1
,
Naohiro Fujimura
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
pp.1125-1135
発行日 1978年10月15日
Published Date 1978/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202838
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第二章
前章で記載してきた症状は「それ自体で疾患すべてを構成し得るもの」であるが,大部分の症例で一時的にしか構成し得てないし,先に述べた症状より,もっともっと特徴的な新たな現象がはっきり現われてくるようにみえる。それには種々のものがあるので,その出現する順に従って記載してみよう。
私共が,疾病出現の日付を強調しないのは,すでに述べた如く,症例に含まれているのは,数カ月間から16年間にわたり,非協調性運動のみが存在し得たものだからである。むしろ,日付について語るならばそれはあまりに不規則的であるということだ。反対に発症の様式は,かなり規則的であるように思える。すなわち新たな現象の恒常的かつ特殊な漸次的推移が次のような事実を生じながらみられる。
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