巻頭言
精神病院入院患者の開放的処遇を世間に通用させるために
西尾 忠介
1
1もと桜ケ丘保養院
pp.354-355
発行日 1978年4月15日
Published Date 1978/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202743
- 有料閲覧
- 文献概要
精神病院長という肩書きがなければ公言できるかもしれない発言を,病院長であることの故に躊躇することがある。
時たま,病院近辺に住んでいる人達何人かが一緒に院長に面会を求めて来訪。その趣旨は「去る某日,うちの娘が会社からの帰途,病院の近くの路でおたくの患者にあとをつけられた。それ以来遠回りをして通勤している」,「家の前の路を大勢の患者が鎌を持って,付添いもつかずに通った,キチガイに刃物ではないか,われわれ住民が危害を加えられたら病院はどういう責任をとるのか」,「駅やスーパーマーケットで,おたくの患者であることが一目でわかる人達によく会う。ああいう気味の悪い人は外出させないでくれ」といった苦情・警告・要求の申し入れである。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.