古典紹介
—Ugo Cerletti—L'Elettroshock—第3回
村田 忠良
1
,
遠藤 正臣
2
Tadayoshi Murata
1
,
Masaomi Endo
2
1札幌天使病院神経科
2金沢大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Sapporo Tenshi Hospital
2Dept. of Neuropsychiatry, School of Medicine, Kanazawa University
pp.275-288
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202594
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅲ.けいれん発作の生物学的意義
けいれん発作についての私の分析は,一定で,非常に複雑で疑いもなく先天的に,すべての脳に備わって,一定の刺激作用で発射するように準備されているある機構を論証するところにまで至った。さて神経系の自動症の最大発射といわれたもののその《意味》は,生物学的にはどんな意義なのであろうか。
てんかん発作が予め形成された諸現象の配置図に従って進行すると認めることは,系統発生での大変昔の反復された経験を通して,形成され固定化された機能上のパターンがそこでは問題であることを暗に仮定していることになる。その複雑な現象学を直接的機能的に解釈しようとすると克服し難い困難に出会うので,とりわけ神経性自動症に類似する他の発射現象から何らかの光明が間接的に得られるかどうかをみよう。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.