Japanese
English
研究と報告
抗うつ剤服薬中の飲酒によって異常反応を呈した臨床例
Clinical Experiences of the Abnormal Responses to Combined Antidepressants and Ethyl Alcohol
小片 寛
1
,
庄田 秀志
1
,
小宮山 徳太郎
1
,
中沢 信之
1
Hiroshi Ogata
1
,
Hideshi Shoda
1
,
Tokutaro Komiyama
1
,
Nobuyuki Nakazawa
1
1信州大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiat., Faculty of Med., Shinshu Univ.
pp.49-56
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202573
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I.はじめに
1958年,Kuhnがimipramineの抗うつ効果を報告して以来,数種の三環抗うつ剤が精神科領域のみならず医療の各分野でうつ状態の治療薬として広く利用されるに至った。
一方,わが国での年間アルコール消費量は増加の一途をたどり,額田29)の報告によれば1960年から1970年までの10年間に清酒換算の年間消費量は清酒がおよそ2倍に,ビールとウイスキーが3倍に増加したといわれる。それに反して,焼酎・合成酒の減少は僅かにすぎなかった。この事実はアルコールが国民の日常生活へますます広く滲透していることを裏づけるものである。このような状況下で薬物療法を行なう際に,中枢に対する向精神薬とアルコールとの相互作用に医学的配慮が要請されよう。
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