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特集 在宅精神医療—日常生活における指導と治療
Ⅴ.日常生活で精神医療を支えるのは誰か
Who are Care-takers for Psychiatric Patients in the Community?
中沢 正夫
1
,
石川 辰夫
1
,
伊勢田 堯
1
,
桂 あぐり
2
,
峰村 光平
3
Masao Nakazawa
1
,
Tatuo Ishikawa
1
,
Takashi Iseda
1
,
Aguri Katsura
2
,
Kohhei Minemura
3
1群馬大学医学部精神神経科
2北毛病院
3峰村医院
1Dept. of Neuropsychiatry, Gunma University School of Med.
2Hokumou Hospital
3Minemura Hospital
pp.679-687
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202502
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I.はじめに
医療が,診断,投薬,手術などの狭義診療技術の行使だけで完結すると考える人はまずいないであろう。予防とアフター・ケア,リハビリテーションが前後につくとするのは現代では常識である。しかしこのように時間軸への発展は了としても,横軸,生活空間への医療の拡がりもまた常識として認められていることであろうか。たしかに狭義診療技術の十分な行使を保障する経済的・社会的・心理的条件を患者がどう整備するかは,医療にとって不可欠な要素であるし,患者の日常生活のあり方は疾病の転帰をきめるといってよい。それは古くから療養指導,養生訓としてある。だがこれらの分野で働く人達はなぜかparamedical staffと呼ばれる。そして,慢性疾患ほどこの分野とそこで働く人達にかけられる役割の比重は大きくなっていく。
殊に精神疾患では原因不明の慢性疾患の例にもれず,生活療法という治療的アプローチを発展させている。これは一般疾患における療養指導という如き,やや添えもの的概念をこえて中心的治療法の一つとして期待されている。それは,患者の生活のあり様をかえることにより,その状態像を動かすことができる,あるいは改善させえるという共通の認識にたって各種の実践的手法が展開されている。
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