シンポジウム 大都市の病理と精神障害—東京都精神医学総合研究所第2回シンポジウムから
都市病理と精神障害
加藤 正明
1
1東京医科大学精神神経科
pp.485-489
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202480
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I.はじめに
一般に考えられていることは,都市化なり大都市化に伴って何らかの意味で特有の社会病理現象が生じており,この社会病理現象が原因となって精神障害が量的に増加するか,質的に重篤なものに変貌しつつあるということであろう。そして,この予測と期待に答えうる方法と結果を何らかの形で示せという要望が出されていることも当然といってよい。そしてこの問いに答えるべく,都市化,産業化,近代化および現代化,文化変容などの問題と精神障害との関係が,古くから社会精神医学,文化人類学,社会学,社会心理学,公衆衛生学などの立場から数多く論じられてきた。ことに本日はメガロポリス東京を念頭におき,日本の他の都市や,各国の大都市と比較しながら,この問題に答える方法論を求めてみたいと思う。
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