巻頭言
これからの精神医学の道
有岡 巌
1
1奈良県立医科大学神経精神科学教室
pp.110-111
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202436
- 有料閲覧
- 文献概要
精神病の治療にあたっている医師は,いろいろの考えかたに立って,それを行なっている。しかし,はたして,医師といえるだけのものを充分持っているであろうか。精神医学での現在の能力は,患者や家族の期待にこたえられるだけのものを満たしているとはいえない。すなわち,医療としての使命を果たしうるレベルから遙かに遠いのである。このような時代の医療能力であるから,その結末は現在までみてきている通りである。
わたくしは,現在の精神医学なるものは,他の臨床領域と比較してみて,病理学としての位置づけをいくら大きく与えてみても誤りでないと思っている。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.