巻頭言
これからの精神医学に期待すること
三辺 義雄
1
1金沢大学大学院脳情報病態学講座(神経精神医学)
pp.340-341
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100957
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私は昨年11月に就任したばかりの新米教授です。しかし1978年より精神科医をしていますので、あと2年でちょうど精神科医になって30年になります。まだまだ多くの先輩方が現役で活躍しておられますが,“精神科医が1人前になるには最低20年は必要”と言われますので(私も全く同感です!),未熟ながら精神科医としてベテランの域に入って来たかな?と思っております。思えば私が大学を卒業した頃からみると,精神医学も大きな変貌を遂げております。特にサイエンスとして他の分野に遅れを取っていた精神医学が,21世紀に入り俄然最も注目される分野になってきました。その主たる要因は脳画像学や分子生物学の驚異的な進歩により,精神医学の“脳神経科学”としての位置づけが明確になってきたことにあると思います。私が最近学生や研修医の皆さんに,“これからの精神医学は脳内科であると認識していただいて結構です。精神医学は特別な領域ではありません”と自信を持って言える根拠はここにあります(実際金沢大学においても,大学院において精神医学は神経科学分野に入っております)。さて,この機会に私が精神医学に“特に期待すること”を3項目書かせていただき,同時に,僭越ながら私自身の今後の目標としたいと思います。
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