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Dopamine-Sensitive Adenylyl Cyclase in Human Caudate Nucleus—A Study in Control Subjects and Schizophrenic Patients/A Pharmacological Model of the Pathophysiology of Schizophrenia
金野 滋
,
融 道男
pp.76,97
発行日 1976年1月15日
Published Date 1976/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202433
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現在,いくつかの間接的な根拠から,dopamine(DA)受容体の生化学的異常が分裂病に関与していると考えられている。同時にcyclic AMP合成酵素であるadenylyl cyclaseがDA受容体と密接な関係にあると考えられている。抗精神病剤がDA刺激によるadenylyl cyclaseの活性化を阻害するという報告は多く,また,このDA感受性adenylylcyclaseは黒質線条体,あるいはmesolimbic系に存在するといわれている。そこで著者らは,分裂病者と非分裂病者の剖検脳を用いて,尾状核ホモジネートのDA感受性adenylyl cyclaseの基礎活性とDA刺激による活性増加を測定し,両群を比較した。7例の分裂病者の診断は3例が妄想型,4例が慢性分類不能型で,年齢は25〜65歳(平均44.7歳),薬物投与量はchlorpromazine換算量で0〜900mg/日(平均292mg/日)であった。非分裂病者9例を含めた16例で死後,脳組織を取り出すまでの時間は2〜69時間であった。adenylyl cyclaseの活性測定は14C-ATPを添加し生合成された14C-cyclic AMPを測定し基礎活性(cyclic AMP合成量/mg蛋白/min)とし10-5MのDAを同時に添加した際の14C-cyclic AMP合成の%増加率でDA刺激による活性の増加を表している。
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